2026年度 青ヶ島村離島留学生募集

 青ヶ島村離島留学推進協議会では、2026年度、青ヶ島村の小中学校に留学を希望する生徒さんを募集します。

現在小中学校全員で10人以下の少人数の学校ではありますが、小学生・中学生がとても仲良く学校生活を送っています。

今までに7人の生徒が留学生として青ヶ島で1年間を過ごして巣立っていきました。人口160人という日本一小さな自治体の青ヶ島、ここの島暮らしは、彼らの心の中に特別な時間を過ごした場所として刻まれています。彼らは内地で島のイベントがあれば顔を出してくれ、長期休みには島まで会いにきてくれた子もいました、青ヶ島を大切に思ってくれています。そして島に暮らす間、彼らを見守り応援していた島民の方々も彼らの顔を見ると本当に嬉しそうです。

いかがですか?青ヶ島に島留学にきてもうひとつの故郷をつくってみませんか?

ここにしかないものーある男子の場合

 (島?なんだっけ?)と聞き返すくらい、島に興味も抱いていなかった子が「留学」という言葉に惹かれて島にやってきました。真っ赤な夕焼けを見て「僕が住んでいたところにはこんな夕焼けはなかった」と、感動し、大荒れの海を見て 「こんな海があるのを知らなかった」と自然のすごさを感じる、凪になれば、同じ海の深い青さに驚いてまた見とれている。

内地と島の景色は全然違うのかもしれないですが、親や兄弟を離れ一人で眺める島の景色はとてもダイレクトに沁みるようです。そして1年近くを過ごしても「うわあ!」「きれい」「すごい!」と声をあげ、飽きることが微塵もないそんな姿に、こちらが驚いてしまいます。

彼は島で見たひとつひとつの景色を「ここにしかないもの」と感じているようです。

思い通りにならないことから「学ぶ」

 今は内地のどこでも、ネットでポチればその日か翌日に商品が到着します。

しかし青ヶ島は違います、何日も船が来なくて、取り寄せたものもすぐ届かない場合が多い。それどころか、生活に必要な食材が欠乏する事態も発生し、食卓に出てくる野菜の種類がどんどん少なくなる生活も青ヶ島ならではです。

3期生たちは、2学期、島に帰る前に家から送った夏休みの宿題が船の欠航で、到着まで数日待たなければならない経験をしました。船が運航しないかぎり、待つしかない不便さ。

「待つ」ことがほとんどなかった内地の生活は、モノがどこからどう運ばれて来るのか、想像する必要もなかったのでは?と思います、しかし「待つ」生活は、それが内地を離れ、今どこで船待ちをしているのか、青ヶ島に上陸するのはいつなのか、そして港から家までどうやって運ばれてくるのか、想像するようになる。不便であることは、待つ力や、待つ間にないものをどう補うか、調整する力が養われます。

天気もそうです。飛行機やヘリコプターも欠航することがあります。どうしよう?なんて考えるヒマはありません。すぐ次のルートを考えて手配する。人間は自然に敵わないことを学び続ける生活が、島の生活です。

       

ここにしかないものーある女子の場合

 ある女子は親から聞いた島留学の話が忘れられず、もう締め切りも過ぎていたのに諦めきれず電話をかけました。涙が出てしまって、留守電にちゃんと話すことができず電話を切ってしまいます。留守電を確認して不思議に思った応募受付の事務局が折り返しの電話をかけた時も、泣いてしまってちゃんと話すことができず切ってしまいます。

やっと、心を落ち着かせてもう一度電話をかけて「私は鳥が好きで、青ヶ島に行って野鳥を観察したい」と伝えることができ、青ヶ島留学に来ることができました。諦めないで行動を起こしたことが、自分の願いを実現するきっかけになりました。

ここでしかできないこと

現在の留学生2人は、毎日の島親さんとのサウナへの行き帰り、歩いている人を見かけると車の窓を開けて「こんにちわっ!」と大きな声で挨拶します。島の人でも観光の人でも誰に対しても挨拶します。

「内地にいたら関わることがなかった人たちに出会え、自分の中にあった普通や当たり前といった考え方が変わったと思う」

今までとは違う感覚で他者の存在を感じた2人、あたりまえと思っていたことが当たり前ではなかったことを発見した、すれ違う人に挨拶できるようになった、やってもらったことにお礼が言えるようになったと話しています。

他人との共同生活

 現在の島親さんの家での暮らしは、他の留学生と塩工場のメンバー、そして島親さんとの共同生活です。みな血のつながりのない他人です。時として島親さんと衝突したり、離島留学生同士でドラブルになったりすることもあります。共同生活にストレスを感じることもあります。また食事のテーブルの席や洗濯の順番、ニワトリの餌をやったり卵の回収、共用のテーブルで宿題をやったときの片付け、お風呂の順番、ほんものの家族との暮らしでは考える必要もなく当たり前に自分を主に過ごしていたひとつひとつが、人と話し合って順番を決めたり約束事をきめたりしなければならなくなります。これは社会人になるための練習だと思ってください。ルールを破ったら、謝ったり調整したりします。「おはよう」や「ありがとう」「ごめんなさい」「おやすみなさい」そういう言葉が、他人との暮らしではとても大切です。自然と身につく生徒さんもあれば、なかなか口にできない生徒さんもいます。相手を知ることは自分を知ることでもあります。相手のやったことを見ながら、自分はどうだろう?と照らし合わせて考えることも学びになると思います。他人との共同生活は楽しいだけでなく辛いこともあります。

島留学には魔法の力はありません

 島留学を希望する生徒さんは、島に来たい理由もそれぞれ違うのですが、みなどこかに(今の自分じゃない自分になりたい)という願望をもっている生徒さんが多いです。

そして、親御さんも(島留学で他所の土地で他人と暮らすことでもっとしっかりするのではないか)など、とても期待している方が多いような気がします。

島留学に来ただけで変わるということはありません。留学期間中、毎日の生徒さんの生活の面倒をみるのは島親や学校の先生方ですが、保護者の方の連携がなくては、生徒さんを導いてゆくことはできません。お任せしているつもりにならないでください。3者全員が生徒さん本人とリアルに関わってこそ、です。特に、毎日の生活の中で約束を守ること、相手を大切にすること、他人との暮らしのこういった一番の部分は親御さんが先頭になって全力で携わってほしいと思っています。

 家庭と異なる環境に適応しなければならないし、他人の家で暮らすためにはその家のルールがあり、自分の思い通りに、スマホを見たり、インターネットを使ったり出来ません.今の生活が180度変わると考えて下さい。生徒さんに寄り添うことができても、躾けして指導し人格を形成するなんで大きなことはお約束できません。あくまで島親、保護者、学校の三者の中で生徒さん達が考えて、学んでいきます。島留学に来たから変わるという魔法はありません。

                   

キラキラ

 今年は青ヶ島チルドレンから4人の生徒が、中学校を卒業しました。「高校受かりました!」「卒業しました!」のラインやメールをいただいて、先生方や地域の方にも情報共有、みんなその知らせを喜んでくれました。

先日、かつて青ヶ島チルドレンとして留学にきた生徒さんや親御さんから、留学にきてどうだったかをうかがう機会がありました。「自分のやりたいこと、思ったことをはっきり口にできるようになった」「身の回りのことができるようになり生活力がついた」「親以外との他人とのやりとりが上手になったと思います」「強くなった」「動画閲覧やゲームなどに依存しない楽しみを自分で見つけられるようになった」などのお声をいただきました。こうした生徒達は離島留学中仲間との様々な葛藤がありました。全く口をきかなかったり、関係が悪化してしまったり。ただ、卒業後、お互いに距離が適当に離れると、当時のことを客観的に振り返れるようになり、少しずつ関係が修復されるようです。

2025年度は4年目を迎える青ヶ島留学ですが、継続したことでなにか違う流れも生まれ動き始めていると感じています。今年の「島じまん」は青ヶ島チルドレンたちも参戦します。彼らが青ヶ島に今後も自ら関わろうとしてくれていることに驚きを感じます、そしてとてもありがたく感じます。青ヶ島を思ってくれる彼らに心から感謝いたします。

ぜひ青ヶ島へ!